【5月29日 AFP】英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)は29日、インフレ懸念の払しょくに「豚肉の価格高騰抑制」が有効と社説で論じた。

 国内ではここ数週間、さまざまな理由から豚肉価格が急騰している。主要作物である豚肉の価格高騰が社会不安につながる危険性を懸念し、温家宝(Wen Jiabao)首相が北西部の養豚場を視察するなど、政府も対策に乗り出していた。

 こうした動きについて同社説は、「豚肉の価格高騰問題で、食料事情への悪影響を首相が懸念するのは当然」としつつ、「政治家が本当に心配すべきは経済への悪影響であり、インフレ抑制に努めるべきだろう」と指摘している。

 農業省の発表によれば、4月の豚の生体価格は前月比71.3%増、豚肉の価格は同29.3%増だった。豚肉の価格高騰は、主なインフレ指標である消費者物価指数(CPI)にも悪影響を及ぼしている。3月のCPI上昇値は前年同期比3.3%、翌4月にもさらに3%となっている。

 中国人民銀行(The People’s Bank of China)はCPI上昇率3%を要警戒レベルとしており、政府は経済・政治の両側面からこれを注視している。(c)AFP