「サケの成功に続け」と、タラの養殖が本格化 - ノルウェー
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【トロムセー/ノルウェー 7日 AFP】サケの養殖産業が成功したノルウェーで、難しいとされてきたタラの養殖に挑む業者が増えている。
ノルウェー北部の町トロムセー(Tromsoe)にある水産養殖研究所(Norwegian Institute of Fisheries and Aquaculture Research)のJens Oestli氏は、「サケで成功したという実績が、タラ養殖でもうまくいくと楽観視する要因の1つとなっている」と話した。
■天然タラの禁漁措置の強化により、市場には品薄感が広がる
ノルウェーで、サケの養殖が開始されたのが1960年代。現在では、養殖サケは天然の3倍の輸出量を誇り、2005年度には38万3085トンを出荷している。養殖業者らは、「この成功をタラでもう一度」と意気込む。
タラは現在、一部の漁場で、絶滅の危機にひんしている。カナダや米国の一部地域では、資源の枯渇から、天然タラの禁漁措置が取られて10年以上になる。欧州連合(EU)も2006年12月、乱獲を懸念して漁獲割当量の20%削減に踏み切った。
EU未加盟のノルウェーには漁獲制限の義務はなく、資源量も問題ない。高い需要が続くタラ市場に魅力を感じた養殖業者たちは、懸念される養殖コストが予想外に低く抑えられることもあり、ノルウェー産の養殖タラを大量に市場に送り出すという計画に、熱い視線を注ぐ。
Osteli氏は、「ここ数年の漁獲許容量の削減と相まって、現在、流通している以上の潜在的なニーズが市場にあると投資家が確信した結果、タラの養殖への試みが増加しいる」と説明する。
■タラの養殖はサケに比べて複雑であり、産業としてはまだ初期段階
タラ養殖の試みは、2000年頃からノルウェー西海岸で始まった。だが、タラの生態はサケに比べずっと複雑だという。
トロムセー水産養殖研究所の養殖計画部に勤務するAtle Mortensen部長は、「サケのほうがずっと簡単だ。稚魚が100倍は大きい。また、タラには生き餌を与える必要があるが、それ自体がすでに難しい」と語る。
同研究所のMargrethe Esaiassen研究員も、稚魚の死亡率の高さを例に挙げ、「タラ養殖はまだ始まったばかり。われわれもすべてを知っているわけではない。調査研究の余地はたくさんある」と指摘した。
ノルウェー政府はタラの養殖に力を注いできたが、産業としてはまだ初期段階のようだ。
写真は、トロムセーの養殖場で、いけすの中のタラの若魚。(2007年1月24日撮影)(c)AFP/FRANCIS KOHN
ノルウェー北部の町トロムセー(Tromsoe)にある水産養殖研究所(Norwegian Institute of Fisheries and Aquaculture Research)のJens Oestli氏は、「サケで成功したという実績が、タラ養殖でもうまくいくと楽観視する要因の1つとなっている」と話した。
■天然タラの禁漁措置の強化により、市場には品薄感が広がる
ノルウェーで、サケの養殖が開始されたのが1960年代。現在では、養殖サケは天然の3倍の輸出量を誇り、2005年度には38万3085トンを出荷している。養殖業者らは、「この成功をタラでもう一度」と意気込む。
タラは現在、一部の漁場で、絶滅の危機にひんしている。カナダや米国の一部地域では、資源の枯渇から、天然タラの禁漁措置が取られて10年以上になる。欧州連合(EU)も2006年12月、乱獲を懸念して漁獲割当量の20%削減に踏み切った。
EU未加盟のノルウェーには漁獲制限の義務はなく、資源量も問題ない。高い需要が続くタラ市場に魅力を感じた養殖業者たちは、懸念される養殖コストが予想外に低く抑えられることもあり、ノルウェー産の養殖タラを大量に市場に送り出すという計画に、熱い視線を注ぐ。
Osteli氏は、「ここ数年の漁獲許容量の削減と相まって、現在、流通している以上の潜在的なニーズが市場にあると投資家が確信した結果、タラの養殖への試みが増加しいる」と説明する。
■タラの養殖はサケに比べて複雑であり、産業としてはまだ初期段階
タラ養殖の試みは、2000年頃からノルウェー西海岸で始まった。だが、タラの生態はサケに比べずっと複雑だという。
トロムセー水産養殖研究所の養殖計画部に勤務するAtle Mortensen部長は、「サケのほうがずっと簡単だ。稚魚が100倍は大きい。また、タラには生き餌を与える必要があるが、それ自体がすでに難しい」と語る。
同研究所のMargrethe Esaiassen研究員も、稚魚の死亡率の高さを例に挙げ、「タラ養殖はまだ始まったばかり。われわれもすべてを知っているわけではない。調査研究の余地はたくさんある」と指摘した。
ノルウェー政府はタラの養殖に力を注いできたが、産業としてはまだ初期段階のようだ。
写真は、トロムセーの養殖場で、いけすの中のタラの若魚。(2007年1月24日撮影)(c)AFP/FRANCIS KOHN