【9月17日 AFP】(一部更新)2つの暴風雨に同時に直撃されるというまれな事態に見舞われたメキシコで、16日までに洪水や地滑りなどによる死者が少なくとも40人に上った。

 メキシコの太平洋岸を襲った熱帯低気圧「マヌエル(Manuel)」は勢力を弱めて消滅したが、一帯では今もなお豪雨が続いている。一方、ハリケーン「イングリッド(Ingrid)」は熱帯低気圧となって反対側の同国北東部を直撃、その後勢力を弱めている。

 東部ベラクルス(Veracruz)州では、土砂を撤去していた作業員らとバスが地滑りに巻き込まれ、少なくとも12人が死亡した。河川4本が氾濫した南西部ゲレロ(Guerrero)州では洪水と地滑りで21人が死亡、25人が行方不明となっている。

 また、太平洋岸の観光地アカプルコ(Acapulco)では一部地域で水位が3メートル近く上昇し、同市につながる主要高速道路が分断、数万人の観光客が市内に閉じ込められている。
 
 内務省によれば国土の3分の2以上が被害を受け、各地では数万人単位の避難が相次いでいる。2つの熱帯暴風雨が同時にメキシコを襲ったのは、1956年以来だという。(c)AFP/Allan Garcia