【6月4日 AFP】欧州中部で発生した洪水で、3日の時点で少なくとも10人が死亡、数千人が避難を余儀なくされた。被災地には、重要な史跡も多いチェコの首都プラハ(Prague)も含まれている。

 先週末に発生した記録的な集中豪雨により、チェコ・オーストリア・ドイツ全域で、店舗や学校が閉鎖され、道路・鉄道網もまひした。

 政府が2日に非常事態宣言を出したチェコの当局者によると、同国では8000人以上が自宅から避難したほか、軍から約2000人を救助に動員し、死亡したとみられる4人の捜索が続けられた。

 プラハでは、氾濫したブルタバ(Vltava)川に架かる14世紀に建造されたカレル橋(Charles Bridge )も危機にさらされ、3日は25トン掘削機を使って橋の周囲に堆積したがれきを除去する作業を終日行った。同川の水位がプラハ内で最も高くなるのは4日と見込まれている。

 数千世帯で停電し、倒れた木によって同国西部の鉄道網が寸断された。また2002年に発生した洪水で化学工場から有害物質が流出したことから、予防措置として化学工場は閉鎖された。

 この洪水は、近隣のドイツ・オーストリア・スイスにも被害をもたらした。オーストリアで2人、スイスで1人の死亡がそれぞれ確認されている。(c)AFP/Jan FLEMR