【5月5日 AFP】米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)の西約65キロメートルのマリブ(Malibu)近くで2日に発生した山火事は、4000棟の家屋を危険にさらしているが、4日は低気温と高湿度が消火活動にあたっている約2000人の消防士を後押しした。

 同州ベンチュラ郡消防本部(Ventura County Fire DepartmentVCFD)によると、これまでに15棟の家屋が被害を受けたほか、離れ家約25棟が全焼、15棟が損傷し、5か所の商業施設が被害を受けた。避難地域には馬小屋などがある牧場の邸宅が多い。

 VCFDの広報担当者ローリー・ロス(Lori Ross)氏は、「低気温と海から吹きつける風を消火活動に生かしたい」と語る一方、南カリフォルニアでは狭い範囲ごとに天候が変わることも多いと述べて今後も天候に注意する姿勢を示した。VCFDによると、この火事による直接の死傷者は出ていないが、延焼地域から離れた場所で発生した交通事故で消防士1人と民間人1人の計2名が負傷している。

 消防隊員によると、火災の範囲は出火翌日の3日に約3倍の1万1300ヘクタールに拡大して以降、あまり変化は見られないが、鎮火した範囲はひと晩で20%から30%に拡大したという。

 南カリフォルニアは「サンタアナ(Santa Ana)」と呼ばれる強い季節風がよく吹く秋と冬に野火が多いが、この1週間は30度の高い気温と強風で野火の発生が相次いでいた。ロサンゼルス中心部から北にわずか15キロメートルほどのグレンデール(Glendale)でも3日に野火が発生し、約30ヘクタールが焼け、一部の住民が避難したほか、近くの高速道路が通行止めになった。(c)AFP