【5月5日 AFP】ベルギー北部ヘント(Ghent)近郊で4日午前2時(日本時間同9時)ごろ、毒性が高い化学物質を積んだ貨物列車が脱線して激しく炎上し、1人が死亡、17人が負傷した。複数の地元当局者が語った。

 当初、ヘントがある東フランデレン(East Flanders)州の知事は2人が死亡、14人が負傷したと語っていたが、当局は同日遅くに負傷者17人が入院し、死者1人の死因を調べていると発表した。

 列車はオランダを出発し、ヘントの海港に向かっていた。同国の鉄道管理会社インフラベル(Infrabel)によると、事故はスヘレベル(Schellebelle)とベテレン(Wetteren)の間で発生。13両のうち6両が脱線し、2両が横転した。
 
 火災は車両の爆発を引き起こし、炎が数百メートルを超えて広がったことから、当局は事故現場から500メートル以内に住む約300人の住民を避難させた。ジョエル・ミルケ(Joelle Milquet)内務相は有毒な煙が排水系を通じてさらに遠くに達したとの認識を示し、消防隊は消火活動の水で有毒な化学物質が広がる恐れがあるとして、炎の勢いを抑制しながら車両を全焼させることを決めた。

 事故原因は分かっていない。進路を変える際に脱線しており、走行速度が速すぎたのではないかという見方も出ている。事故の影響でスヘレベルとベテレン間の鉄道は不通になり、復旧には2日ほどかかる見通し。復旧まではバスによる振り替え輸送が行われる。ベルギーでは昨年5月にも、有毒物質のタンクを積んだ列車の事故が2件発生した。(c)AFP