【4月18日 AFP】イランで16日に発生したマグニチュード(M)7.8の地震で、隣国パキスタンでは数千人が被災した。両国を合わせた死者数は41人に上っている。

 揺れはペルシャ湾沿岸地域やインドの首都ニューデリー(New Delhi)を含む広い範囲で感じられた。震源はイラン南東部だが、これまでのところ死者は1人を除き全員がパキスタンで報告されている。

 パキスタンの貧困地域であるバルチスタン(Baluchistan)州のマシュカイル(Mashkail)は、集落が散在し、舗装道路や電気・医療施設の整備が遅れ、携帯電話の電波も限られた範囲にしか届かないことから救助活動は難航している。

 17日朝にはマグニチュード5.7の地震も発生し、人々はいっそう不安を募らせている。パキスタンの災害対策当局によると、これまでに105人の負傷者が治療を受けた。

 慈善団体「イスラミック・リリーフ(Islamic Relief)」がマシュカイルの2つの自治体に問い合わせたところ、5000人が被災し、約2000棟の家屋と150店舗が損壊または全壊したことが分かったという。

 約1週間前の9日にもペルシャ湾に面するイランの都市ブシェール(Bushehr)近郊で少なくとも30人が死亡する地震が発生したばかり。国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)によると、9日と16日の地震によるブシェール原子力発電所への影響はなかったという。

■米国が支援を表明

 ここ50年でイランを襲った地震としては最大の規模を記録した今回の地震を受け、米国は支援を申し出た。過去には災害支援が米イラン関係の改善に貢献したことがある。2003年にイランのバム(Bam)で地震が発生し、2万6000人以上が犠牲になった際、イランは米国の支援隊を受け入れた。

 米国はパキスタンとも災害支援を通じた関係強化を図ってきた。2005年にカシミール(Kashmir)地方のパキスタンが実効支配する地域で地震が発生し、7万3000人以上が犠牲になった際は、それまで極端に悪かったパキスタン国内の対米感情が短期間ながら改善した。(c)AFP/Maaz Khan