【2月14日 AFP】1986年に史上最悪の原発事故を起こしたウクライナのチェルノブイリ(Chernobyl)原子力発電所の4号機で12日、機械室の屋根と壁の一部が崩落した。負傷者はおらず、放射線量に変化はないという。ウクライナの非常事態当局が13日、発表した。
 
 非常事態当局は「現在のところは屋根に大量に積もった雪が崩落の原因とみられる」と述べ、放射線量は「正常範囲内にあり」、負傷者はいないと説明した。

 崩落した屋根は86年の事故以降に建設されたもので、炉心溶融(メルトダウン)が起きた原子炉を覆う「石棺」と呼ばれるコンクリート製の建造物の近くにあるが、石棺の一部ではないという。非常事態当局によると崩落があったのは約600平方メートルの範囲だという。

 チェルノブイリ原発は今回の事故についてウェブサイトで、「4号機のタービンホールの壁と屋根の部分的な破損」が起きたが、壊れた箇所は4号機を覆う構造物の重要な部分ではなく、「原発の作業区域と立ち入り禁止区域の放射線量に変化は何もない。けが人もいない」と説明したが、事故から四半世紀がすぎた同原発の状態への懸念が改めて示された形になった。(c)AFP/Ania TSOUKANOVA