【1月14日 AFP】猛暑による山火事が多発しているオーストラリアのニューサウスウェールズ(New South Wales)州で、最新技術とソーシャルメディアを駆使した災害対策本部がフル稼働している。

 ニューサウスウェールズ地方消防局は無償ボランティア7万人以上を抱える世界最大規模の消防局だが、今回の山火事に立ち向かうにあたって「情報」を重要な災害対策ツールと位置付けている。消防当局や警察、州国防省、州機関の高官らが詰める州都シドニー(Sydney)西部の本部指令室では、壁一面に設置された南半球最大の映像スクリーンに、地図や消防隊員の動員数、気象情報など、州内で発生中の火災に関するありとあらゆる情報が表示されている。

 全ての情報はオンラインを通じて直ちに関係者に共有される。

■ソーシャルメディアでリアルタイム情報発信

 こうした各種情報や専門家の分析に加え、同消防局では公式ウェブサイトやスマートフォン(多機能携帯電話)用アプリ、ソーシャルメディアなどを活用して、住民に近隣で発生した火災の警報を出すなど迅速な情報提供に努めている。

 スマホ用アプリ「Fires Near Me(私のそばの火災)」は、スマホに搭載されたGPS(衛星利用測位システム)の半径50キロメートル以内で起きている山火事について、規模と深刻度をリアルタイムで表示する。フェイスブック(Facebook)の同消防局公式ページやツイッター(Twitter)公式アカウント、公式ウェブサイトは24時間体制で更新され、住民からの情報提供も受け付けている。

 同消防局広報のブライディー・オコナー(Brydie O'Connor)氏は、AFPの取材に「地域の人々に情報を提供する上で、ソーシャルメディアは非常に効力を発揮している」と語った。(c)AFP/Madeleine Coorey