【1月9日 AFP】(写真追加)オーストラリア最大の人口を抱えるニューサウスウェールズ(New South Wales)州で8日、猛暑と強風により山火事が続発し、住宅焼失の危険があるとして、当局は住民に対し迅速な避難を要請している。

 当局によると、40度を超える猛暑となった同州では、山火事発生の危険性が過去最高規模にまで上昇している。

 ジュリア・ギラード(Julia Gillard)首相は同地域での状況を「壊滅的と呼ぶにふさわしい」とし、注意を呼びかけた。「壊滅的」という山火事の分類は、2009年にビクトリア(Victoria)州で173人の命を奪った山火事をきっかけに導入されたもので、制御不能で予測不能、延焼速度が早く、避難が唯一の対応策という規模の山火事を指す。

 シドニー(Sydney)で記者会見したニューサウスウェールズ州地方消防局(New South Wales Rural Fire Service)のシェーン・フィッツシモンズ(Shane Fitzsimmons)局長によると、同州では140件の山火事が報告されており、うち40件は依然として延焼を続けている。

 最も大きな危険にさらされているのはシドニー南のショールヘブン(Shoalhaven)やイラワラ(Illawarra)など、夏季の休暇先として人気の地域だという。

 一方、ビクトリア州南西部で発生した山火事は7日夜から8日にかけて約2倍に燃え広がり、消防隊員500人と航空機10機が消火活動にあたっている。タスマニア(Tasmania)州では先週末、山火事で住宅100棟が焼失し、8日現在も40件の山火事が地元住民の生活を脅かしている。(c)AFP/Madeleine Coorey