【11月28日 AFP】1986年に史上最悪の原発事故を起こしたウクライナのチェルノブイリ(Chernobyl)原発で27日、爆発した原子炉を覆うためのアーチ型の建造物(シェルター)が持ち上げられ、シェルター設置に向け一つの節目を迎えた。

 チェルノブイリ原発事故は1986年4月26日未明に起きた。事故により、放射性物質が上空に舞い上がり、旧ソ連から欧州へと拡散した。

 シェルター建造費の基金を運営する欧州復興開発銀行(EBRD)によると、重さ約5000トンの鉄製の建造物が、高さ22メートルまで持ち上げられた。

 アーチ型のこの巨大な建造物は「新安全閉じ込め設備(New Safe Confinement)」と呼ばれるもので、2015年に完成を予定している。完成した建物の重さは2万トン、幅は257メートルになる。

 完成後は、レールの上を滑らせて移動し、事故を起こした原子炉を覆う「石棺」の上に架けられる。耐久年数100年の設計がされており、原子炉内での除染作業を安全に実施するためのハイテク機器も備えられている。(c)AFP