【11月4日 AFP】巨大ハリケーン「サンディ(Sandy)」で甚大な被害を受けた米ニューヨーク(New York)州とニュージャージー(New Jersey)州が、深刻なガソリン不足に直面している。迅速な都市機能の回復に影響が及ぶ可能性もあり、クリス・クリスティー(Chris Christie)ニュージャージー州知事は混乱を避けるため、ガソリンを当面、配給制にすると発表した。偶数の日には偶数のナンバーの車のみガソリンを入れることができるという。

 深刻な浸水被害にみまわれた人口密集地区のマンハッタン(Manhattan)では、3日にはほぼ全面的に電力が復旧した。地下鉄の運行も、一部ですでに再開している。しかし、およそ120万人に停電の影響が及んだロングアイランド(Long Island)では、いまだ約55万人に影響が残っている。

 被災によって停電した世帯全体では、約40%(およそ90万人)が今も、電気を使えない生活を強いられている状況だ。ニューヨーク(New York)州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)知事によると、すべての世帯への電力供給が再開するまでには、あと一週間程度かかる見通しだという。

 折しも今週半ばには、暴風雨と気温の低下が予想されており、多くの市民が暖房なしで過ごすことになりそうだ。すでに営業を再開したガソリンスタンドの前には、徒歩や車で詰めかけた市民らが、燃料用のタンクを手に長蛇の列を作っている。

 一方、「サンディ」による米国内での死者数は、現在のところ少なくとも103人に上っている。ニュージャージー州警察によると、同州内では22人の死亡が確認された。(c)AFP/Sebastian Smith