【8月13日 AFP】今夏の猛暑でスペイン各地に拡大している山火事で12日、新たに1人が死亡したほか、3人が負傷した。

 死亡したのは南東部アリカンテ(Alicante)の松林で消火活動中だった消防隊員だという。地元当局の報道官が12日夜に語ったところによると、成育した松林で火は広がり続けている。

 このほか、カナリア諸島(Canary Islands)でも山火事で数千人が自宅から避難しており、航空機が山の斜面に散水した。カナリア諸島のラ・ゴメラ(La Gomera)島やテネリフェ(Tenerife)島の山火事は、すでに数千ヘクタールを焼き尽くしたが、12日現在も勢いは衰えを見せていない。

 ラ・ゴメラ島の地元当局によれば、同島では人口の多い北部のバジェエルモソ(Vallehermoso)や世界遺産(World Heritage Site)にも登録されているガラホナイ国立公園(Garajonay National Park)を山火事から守る作業が進められている。

 前週出火した両島の山火事は計3000ヘクタールを焼いた後いったんは落ち着いたかにみえたが、火は10日に再びぶり返し、ゴメラで600ヘクタール以上、テネリフェでは370ヘクタールが焼失した。希少な亜熱帯林の生態系を持つガラホナイ国立公園でも800ヘクタール近くが焼けた。

 スペイン政府の発表によると今年の山火事による焼失面積は既に13万2300ヘクタールに上り、最近も新たな山火事が発生している。(c)AFP/Desiree Martin