【5月16日 Relaxnews】仏ホテルグループ、アコー(Accor)はこのほど、大地震で閉鎖していたニュージーランドのクライストチャーチ(Christchurch)の系列ホテルを再開する計画を発表した。
 
 市中心部が大きな被害を受けた前年2月22日の大地震で、アコーはクライストチャーチに展開していた系列ホテル4軒の閉鎖を余儀なくされた。

 大地震以降、クライストチャーチでは深刻な宿泊施設不足が続いている。そこでアコーは、アイビス・クライストチャーチ(Ibis Christchurch)を9月に、ノボテル・クライストチャーチ(Novotel Christchurch)を翌年4月に再オープンすることを決断した。両ホテルとも地震の損害を受けたのは主に内装で、構造に問題はないという。現在、大規模な改装工事が進行中だ。

 残る市内のアコー系列ホテル2軒は、ホテルが所在する地域一帯で続く損壊した建物の解体作業によりアクセスが制限されているため、営業再開のめどはたっていない。

 アコーがホテルの再開までに要した時間は、ニュージーランド随一の観光都市だったクライストチャーチが受けた被害の大きさを物語っている。

 それでも、クライストチャーチ市は復興を都市改革の機会として、前向きにとらえている。

 市の象徴とも言えるクライストチャーチ大聖堂(Christchurch Cathedral)は、倒壊は免れたものの解体が決まった。跡地には、建築設計家、坂茂(Shigeru Ban)氏による厚紙製の大聖堂が建てられる。厚紙製の管を用いた三角形の大聖堂は、最大700人を収容できるという。

 クリスマスまでには完成の予定で、輸送コンテナを用いた店舗が並ぶショッピングモールと共に、市の人気観光地となることが期待される。

 市内でがれきなどの撤去作業が始まって以来、立ち入り禁止地区は30%まで縮小した。

 クライストチャーチでは、アコー系列系ホテルのほか、ランデブーホテル(Rendezvous Hotel)や旧政府庁舎を利用したホテル、ヘリテージ・クライストチャーチ(Heritage Christchurch)も年内にオープンする予定だ。

(c)Relaxnews/AFPBB News

【参考】坂茂氏のウェブサイト