【3月29日 AFP】米カリフォルニア(California)州にあるサンオノフレ(San Onofre)原子力発電所で1月に配管から水漏れが見つかった件で、米原子力規制委員会(Nuclear Regulatory CommissionNRC)は27日、原因が究明されるまで原子炉を停止したままにするよう命じた。

 サンディエゴ(San Diego)郡北部にある同原発は、人口の多いカリフォルニア州に2か所ある原発のうちのひとつ。1月に原子炉1基の蒸気発生器の配管で水漏れが見つかったため緊急停止し、点検が行われてきた。
 
 この結果、放射性物質を含んだ水が通る配管が破損しているのが見つかり、NRCは27日、事業者である同州の電力会社サザン・カリフォルニア・エジソン(Southern California EdisonSCE)に「蒸気発生器の配管磨耗の原因をしっかり把握し、操業の安全性を確保するための適切な処置を行う」ことを課し、問題を完全に解決するまで操業を再開しないよう命じた。

 SCE側はNRCの要請に完全に従うことを約束している。SCEのロン・リッツィンガー(Ron Litzinger)社長は「2号機と3号機を再開させるために正式な過程として、NRCの要請を歓迎する」と述べた。

 問題の解決にどの程度時間がかかるかは定かではないが、電力需要がピークになる夏季に及んだ場合の影響が懸念される。現地紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)によると、夏季に猛暑や大規模な送電障害が発生した場合、サンオノフレ原発による発電量2200メガワットが供給されなければ、カリフォルニア州南部は電力不足に陥る恐れがある。

 同州にはもうひとつ、ロサンゼルス(Los Angeles)とサンフランシスコ(San Francisco)の間にパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(Pacific Gas and Electric)が操業するディアブロ・キャニオン(Diablo Canyon)原発がある。(c)AFP