【2月28日 AFP】イタリア中部で1月中旬に座礁し32人が死亡・行方不明になったクルーズ船「コスタ・コンコルディア(Costa Concordia)号」と同じ運航会社に所属するクルーズ船「コスタ・アレグラ(Costa Allegra)号」が27日、セーシェル沖のアルフォンス島(Alphonse Island)近くのインド洋で機関室から出火して電気系統が損傷し、動力を失って漂流している。

 火は数時間で消し止められたが、救難信号を発信して近くにいた船舶に救援を要請した。同船の運航会社コスタ・クロシエレ(Costa Crociere)によると、乗客にけがはなく安全な状態にあるが、避難が必要になった場合に備えて乗客全員を外側のデッキに移動させたという。

 同社によるとコスタ・アレグラ号には乗客636人、乗員413人の計1049人が乗船している。国籍は25か国にわたり内訳はイタリア135人、フランス127人、オーストリア97人、スイス90人など。その他英国、ドイツ、モーリシャス、ロシア、スロベニア、スペインからの人もいるという。イタリア人のうち9人は海賊から同船を守るために乗り込んでいた海兵隊員だった。

 貨物船がイタリア時間28日午前0時(日本時間同日午前8時)ごろ最初に現場海域に到着し、フランスのトロール漁船2隻がそれに続く見通し。同社は乗客・乗員を救援に来た船舶に乗り移らせてセーシェルまで運ぶか、あるいはコスタ・アレグラ号をタグボートでえい航することを検討している。

 イタリアの沿岸警備隊は、上空から航空機で観察したところコスタ・アレグラ号の状態は安定しているとした上で、セーシェルから救援に向かったタグボート2隻のうち1隻目が現場に到着するのは日本時間29日午前0時ごろになるとしている。

 コスタ・アレグラ号は25日にマダガスカルを出航してセーシェルに向かった後、オマーン、紅海、地中海に面するエジプトの港湾都市アレクサンドリア(Alexandria)に行く予定だった。(c)AFP/Dario Thuburn