【12月8日 AFP】3月の東日本大震災で発生した津波は、2つの津波が融合して威力を増し陸地での被害を拡大したとの分析結果を、米航空宇宙局(NASA)が発表した。

 NASAと欧州のレーダー衛星が、沿岸部から遠く離れた海上で2つの津波が1つに合体し、2倍の高さになる画像を捉えていたという。このような現象は、1960年のチリ地震津波の際に起きたのではないかと考えられてきたが、観測されたのは初めて。

 NASAはウェブサイト上の声明で、「この波は威力を失わずに長距離を移動した。海嶺や海底山脈によって2つの波が融合し、一定の方向に向かった。この発見は、津波がどのように海盆を横切った場合に、一部の場所に甚大な被害をもたらしつつも他の場所には全く被害を与えない現象が起きるのかを説明するのに役立つ」として、津波予想の改善に役立つと述べている。(c)AFP