東電が中間報告書、現場作業員の証言を初公開 福島第1原発事故
このニュースをシェア
【12月3日 AFP】東京電力(TEPCO)は2日に公表した福島第1原発事故に関する社内事故調査委員会の中間報告書で、東日本大震災の地震と津波発生時に同原発に勤務していた現場作業員らの証言を明らかにした。
この中で中央制御室の責任者は、パネルの「電源のランプがフリッカし、一斉に消えて」いき、制御室の照明も消え、「操作員が、『海水が流れ込んできている』と、中央制御室に大声で叫びながら戻ってきて、津波の襲来を知った」「電源を失って、何もできなくなったと感じた。他の運転員は、不安そうだった。『操作もできず、手も足も出ないのに、われわれがここにいる意味があるのか』と紛糾した。そこで、自分がここに残ってくれと頭を下げ、了解を得た」と語っている。
3月11日、マグニチュード(M)9.0の地震とその後の巨大津波は同原発の電気系統、冷却系統をまひさせ、25年前の旧ソ連のチェルノブイリ(Chernobyl)原発事故以来最悪の原子力事故となった。これまでのところ、福島第1原発の事故で直接命を落とした人はいないが、大勢の人が避難を強いられ、放射能汚染のため今後長期間にわたって全域が住めない自治体も生まれた。
■緊迫の証言
今回の中間報告書は、事故当時の作業員の証言を初めて公表した。メルトダウン(炉心溶融)を回避するために、原子炉の圧力を抜くベント用のバルブを手作業で必死に開けた様子も記載されている。
「完全装備とはいえ、放射線量が高い中を行かせるので、若い人には行かせなかった」「ベント弁の開放作業のため、現場に出かけた。その際、トーラスに近づいた際、ボコッ、ボコッという大きく、不気味な音が聞こえた。弁が、一番上の物であったので、トーラス部分に足をかけ作業をしようとしたら、黒い長靴がズルッと溶けた」
また電源を復旧させようと格闘する中で「相当大きい余震があり、全面マスク着用のまま死に物狂いで、高台へ走って行かざるを得ないことも多かった」「通常であれば、ケーブルの敷設作業は、1・2か月を要するが、数時間でやり遂げた」「水たまりの中での作業で、感電の恐怖すらあった」など、作業の悪条件についても触れられている。(c)AFP
【参考】「福島原子力事故調査 中間報告書の公表について」(東京電力のプレスリリース)
この中で中央制御室の責任者は、パネルの「電源のランプがフリッカし、一斉に消えて」いき、制御室の照明も消え、「操作員が、『海水が流れ込んできている』と、中央制御室に大声で叫びながら戻ってきて、津波の襲来を知った」「電源を失って、何もできなくなったと感じた。他の運転員は、不安そうだった。『操作もできず、手も足も出ないのに、われわれがここにいる意味があるのか』と紛糾した。そこで、自分がここに残ってくれと頭を下げ、了解を得た」と語っている。
3月11日、マグニチュード(M)9.0の地震とその後の巨大津波は同原発の電気系統、冷却系統をまひさせ、25年前の旧ソ連のチェルノブイリ(Chernobyl)原発事故以来最悪の原子力事故となった。これまでのところ、福島第1原発の事故で直接命を落とした人はいないが、大勢の人が避難を強いられ、放射能汚染のため今後長期間にわたって全域が住めない自治体も生まれた。
■緊迫の証言
今回の中間報告書は、事故当時の作業員の証言を初めて公表した。メルトダウン(炉心溶融)を回避するために、原子炉の圧力を抜くベント用のバルブを手作業で必死に開けた様子も記載されている。
「完全装備とはいえ、放射線量が高い中を行かせるので、若い人には行かせなかった」「ベント弁の開放作業のため、現場に出かけた。その際、トーラスに近づいた際、ボコッ、ボコッという大きく、不気味な音が聞こえた。弁が、一番上の物であったので、トーラス部分に足をかけ作業をしようとしたら、黒い長靴がズルッと溶けた」
また電源を復旧させようと格闘する中で「相当大きい余震があり、全面マスク着用のまま死に物狂いで、高台へ走って行かざるを得ないことも多かった」「通常であれば、ケーブルの敷設作業は、1・2か月を要するが、数時間でやり遂げた」「水たまりの中での作業で、感電の恐怖すらあった」など、作業の悪条件についても触れられている。(c)AFP
【参考】「福島原子力事故調査 中間報告書の公表について」(東京電力のプレスリリース)