【11月7日 AFP】タイの大規模な洪水による犠牲者は6日で500人を超えた。洪水は、首都バンコク(Bangkok)市内深くへとさらに入り込み、主要道路が冠水し、市中心部を脅かしている。

 政府によると、洪水被害による全国の死者数は、前日の発表から60人増えて506人になった。公式発表ではこれまでのところ、バンコク市内の犠牲者は報告されていない。

 バンコクはすでに、少なくとも面積の20%が浸水した。また洪水の水は、ゴミや動物の死がい、工業廃棄物で汚染されており、1200万人が暮らす人口過密な首都での病気の発生に懸念が広がっている。

 洪水の水はゆっくりと移動しており、バンコクのビジネス街や観光地に数キロの距離まで接近している。当局は、水路を利用して水を東側と西側へ迂回させて海へ流出させようと懸命の努力を続けている。

 タイのインラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相は5日、毎週恒例の国民向けのテレビ・ラジオ演説で、バンコクの経済地区や行政地区については「小規模な短時間の」洪水被害の危険性しかないと述べ、「対策が計画通り実行されれば、バンコクの経済地区は救うことができる」との見方を示した。

 さらにシナワット首相は、浸水を防ぐための巨大な土のうの壁を、バンコク北部に全長6キロにわたって設置したと述べ、また、中心街への浸水を回避するため、市内各所でポンプによる排水を開始したと発表した。(c)AFP/Thanaporn Promyamyai

この記事の写真ギャラリーを見る