【11月6日 AFP】イタリア北部の港湾都市ジェノバ(Genoa)で、4日に降った大雨により洪水が発生し、6人が死亡した。水が引いた市内の路上には、流されてきた車や家具、泥土が残されている。41年前に25人が死亡した洪水以来最悪の洪水となった。

 リグリア海(Ligurian sea)とアペニン(Apennine)山脈の間に横たわるジェノバは4日、6時間のうちに年間平均降雨量の約3分の1にあたる356ミリの大雨に見舞われ、洪水が発生した。破壊されてばらばらになった車やオートバイの残骸が洪水に流され、根こそぎ倒された木や家具が路上に散乱した。

 住民の間では、当局が適切に対応していれば人命や財産の損失を減らせたかもしれないと、4日に休校や通行止めなどの措置を取らなかった市当局に対する怒りの声が上がっている。犠牲者のうち女子児童2人を含む5人は、逃げてきたマンションのロビーで洪水に巻き込まれて死亡した。

 また専門家らは被災地域での規制緩和について指摘している。報道によると、新築する建物と川の間で確保すべき距離が10メートルから3メートルに変更されていたという。イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相は、「建てられるべきではない場所に建てられた」建築物があったことに遺憾の意を表した。(c)AFP

この記事の写真ギャラリーを見る