【11月3日 AFP】ここ半世紀で最悪の洪水に見舞われているタイの首都バンコク(Bangkok)は3日、浸水地域が市内の2割に達し、警戒地域の住民に避難勧告が出された。

 だが、住民の多くは勧告を無視して屋内まで浸水した自宅にとどまっており、感電や感染病のリスクに加えて、食料や飲料水の不足が懸念されている。

 洪水は市中心部には到達していないが、バンコクの北部や西部では腰の高さ以上まで濁った水に浸かった地域も出ている。今回の洪水による死者はタイ全土で437人に達しているが、これまでのところバンコク市内で死者が出たという公式な情報はない。

 これまでにバンコク市内50地区のうち8地区に避難勧告が出された。この他に市内の4地区で地区内の一部に避難勧告が出された。

 大きな被害に見舞われた地域では、住民の間でバンコク中心部のショッピングセンターや高級ホテル、高級住宅地を洪水から守るために自分たちの家が犠牲にされたとの不満が高まっており、抗議行動や堤防の破壊をする人も出ている。

 政府は全力を尽くしてバンコク中心部を洪水から守ると宣言しているが、市内の警戒レベル情報が混乱したことから批判されている。(c)AFP