【10月24日 AFP】国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は20日、日本国内のスーパーで販売されていた魚介類から低レベルの放射性物質が検出されたとして、日本の関係省庁とスーパー・量販店の業界団体「日本チェーンストア協会(Japan Chain Stores Association)」に、魚介類のスクリーニング検査と商品情報表示を強化するよう要請した。

 グリーンピースが9月から10月にかけて、大手スーパー5社の東日本にある店舗で買った魚介類60サンプルについて検査したところ、34サンプルから放射性物質であるセシウム134とセシウム137が検出された。東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の事故によるものと考えられ、最も汚染の度合いが大きかったサンプルは1キログラム当たり88ベクレルだった。

 グリーンピースは、今回計測された値は日本政府が定めた暫定基準値である1キログラム当たり500ベクレルをかなり下回っていたものの、放射能に汚染された魚介類はそれを食べた人、特に妊婦や子供の健康を損なう恐れがあり、そのような魚介類が広範囲に流通していると指摘した。

 またグリーンピースは英文のブログで、魚介類が放射性検査を受けたかどうかを消費者に知らせる表示がなく、現状で消費者は情報を与えられた上で商品を選択できない点が問題だと述べ、包括的なスクリーニング検査と表示を行えば消費者の安心感が増して魚介類の購入が増え、水産業の復興にも役立つはずだと述べた。

 なお、この英文ブログは、1986年のチェルノブイリ(Chernobyl)原発事故後にウクライナが決めた基準値は1キログラム当たり150ベクレルだったことにも言及した。(c)AFP

【参考】
グリーンピースのプレスリリース(2011年10月20日)
グリーンピースの英文ブログの記事(2010年10月21日)