【9月20日 AFP】台風15号(アジア名:Roke、ロウキー)に伴う豪雨で地滑りや鉄砲水が発生する恐れが出たことから、20日は各地で合わせて100万人以上に避難指示や避難勧告が出された。

 気象庁(Japan Meteorological Agency)によると、台風15号は、午後4時現在で種子島の南東200キロにあり、中心付近の最大風速は40メートル。21日に日本の中央部に上陸し、その後、事故を起こした東京電力(TEPCO)福島第1原発の方向に向かって北東に進む可能性もある。

 名古屋市は20日、河川が氾濫する危険性があることから、住民約109万人に避難の指示や勧告を出した。名古屋では、地下鉄や地下道に水が流れ込み、テレビでは膝まで水に漬かって消防隊員が操作するゴムボートにつかまって歩く人たちの姿が放送された。

 NHKによると、全国で132万人に避難の指示や勧告が出された。しかし強制力がないことから、どれほどの住民が避難したかはわかっていない。

 気象庁はテレビで放送された20日の会見で、「(台風15号は)勢力を保ったまま、21日に上陸する恐れがある」と述べ、「大雨、暴風や高波による災害に最大級の警戒が必要」と述べた。

 テレビ会見した気象庁高官は、台風15号は次第に速度を速めて22日午後には北海道に達する見込みで、北日本では雨が強くなるとみられると述べるとともに、過去の似た例では急に強風や高波が発生したこともあると指摘して、早めの対策をとるよう呼びかけた。

 台風15号の影響で、宮崎県では過去24時間の降水量が400ミリに達した。気象庁は、21日は広い範囲で最大1時間50ミリの豪雨になる可能性があると警告している。

 日本は今月、台風12号(アジア名:Talas、タラス)によって西日本を中心に約100人が死亡または行方不明となる大きな被害を受けたばかり。(c)AFP/Hiroshi Hiyama