【9月17日 AFP】国連(UN)は16日、モンスーンによる洪水で270人が死亡したパキスタンに対する支援を強化すると発表した。この洪水で住宅110万戸が破壊され、550万人に影響が出ている。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は、安全な飲料水を確保し、疾病を予防するため、近日中に40台以上の給水車を出して1日あたり20万リットルの水を4万人に提供すると発表した。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、パキスタンでは多くの人が汚染された水を飲んだ後に急性下痢になっており、水不足が主要な問題となっている。

 一方、世界食糧計画(World Food ProgrammeWFP)は、9月中に約50万人に緊急支援を提供する目標であり、10月までには支援対象を220万人に拡大する計画だと述べた。

 最も被害が深刻な地区への食糧配給を開始しており、地域共同体の82%が保健施設へアクセスすることができない南部のバディン(Badin)地区から配給を始めたという。

 WFPは、現在は危機対応に国内の備蓄を使用しているが、備蓄を補充するため、ドナーに拠出を増やしてもらう必要があると述べた。
 
 パキスタンは2010年、被害総額が100億ドル(約7700億円)に上る同国史上最悪の洪水に見舞われ、2100万人が被害を受けた。洪水から1年経った現在も数万人が避難キャンプで生活している。(c)AFP