【9月10日 AFP】米カリフォルニア(California)州南部、アリゾナ(Arizona)州、メキシコにまたがる広い地域で8日に発生した大規模な停電は、発生から約12時間後の9日、大半の地域で復旧した。

 電力会社サンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック(San Diego Gas & ElectricSDGE)は、復旧作業で送電網が脆弱(ぜいじゃく)になっているため、9日いっぱいは節電するよう呼びかけている。カリフォルニア州南部の学校や連邦裁判所の建物は9日も閉鎖された。

 2001年9月11日の米同時多発テロ事件から10年目の節目を迎える直前だっただけにテロとの関連も疑われたが、アリゾナ州の電力会社APSによると、アリゾナ州西部ユマ(Yuma)近くにある変電所の作業員の人為的ミスが今回の停電の原因だったとみられている。

 停電中は信号が使えなくなり大規模な交通渋滞が発生したほか、カリフォルニア州オレンジ郡(Orange County)では鉄道システム「メトロリンク(Metrolink)」の運行にも影響が出た。カリフォルニア州にあるサンオノフレ(San Onofre)原子力発電所の原子炉2基も緊急自動停止したが、非常用電源は利用できた。

 ここ数日カリフォルニア州南部では暑い日が続き冷房の利用が増えていたが、電力各社の呼びかけに応じて節電に取り組んだ人が多かったため、当初の見込みより早く電力が復旧したという。(c)AFP/Michael Thurston

【関連記事】米カリフォルニア州など大規模停電、原発も緊急停止