自然災害の国別リスク評価、アジア新興国に危険性
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【8月14日 AFP】英国のリスク評価企業メープルクロフト(Maplecroft)が11日発表した「Natural Hazards Risk Atlas 2011(自然災害リスク・アトラス2011)」は、自然災害による経済損失リスクが最も高い国として米国や日本を挙げる一方、対応能力を含めて考えると中国やインド、インドネシアなどのアジアの新興国の災害リスクはより高いと分析した。
自然災害による経済的損失を受ける「極めて高いリスク」があるとされた国のトップは米国で、日本、中国、台湾が続いた。また、メキシコ、インド、フィリピン、トルコ、インドネシア、イタリア、カナダの7か国が「高いリスク」と評価された。
報告書はさらに、自然災害に対する社会的・経済的な対策能力で各国を評価。この評価では米国と日本は「低リスク」と評価された一方、中国、インド、フィリピン、インドネシアが「高リスク」、ソマリアなどアフリカ諸国を中心とした17か国が「極めて高いリスク」があると判定された。
メープルクロフトは報告書で「日本の津波、米国の竜巻、(ニュージーランドの)クライストチャーチ(Christchurch)の地震、オーストラリアの洪水で、2011年上半期の損失額は総額2650億ドル(約20兆円)となり、ことしの自然災害は、記録がある限りでは史上最悪の損失をもたらしている」と分析している。
報告書は、国際通貨基金(IMF)、世界銀行(World Bank)、米中央情報局(CIA)の2005~2011年のデータから算出した11の指標をもとに、196の国と地域について、地震や津波、火山、地滑り、洪水、暴風雨、山火事といった自然災害による経済損失リスクを評価した。干ばつによる経済損失や、自然災害による農業への打撃は評価に含まれていない。(c)AFP