【7月26日 AFP】東京電力(TEPCO)福島第1原発事故で放出された放射性セシウムに汚染された稲わらが、肉牛の餌として与えられていた問題で政府は26日、汚染された牛肉を買い上げ、焼却処分するなどの対策を発表した。

 計画では、業界団体が、所属する卸売業者や小売業者から、政府の基準値を超えるセシウムが検出された牛肉をすべて買い取る。放射性セシウムに汚染した疑いのある牛は全国に3000頭近くが出荷され、関連費用は最高20億円程度になると報じられている。会見した鹿野道彦(Michihiko Kano)農水相は、最終的には東京電力が費用を全額負担することになるだろうと述べた。

 匿名を条件にAFPの取材に応じた農水省高官は「消費者の不安を取り除き、牛肉への信頼を回復したい」と述べた。

 この高官によると、銀行からの借入が必要となる業界団体には、独立行政法人の農畜産業振興機構(Agriculture and Livestock Industries Corp)が利子を補給する。業界団体は借入金を銀行に返済しなければならないが、業界団体が「原発事故を起こした東電に買い上げの費用やその他の経費を請求する」ことになるという。(c)AFP