【6月23日 AFP】ニュージーランドのジョン・キー(John Key)首相は23日、9か月前から相次いでいる地震で損傷を受け建て替えも難しい、クライストチャーチ(Christchurch)市内の住宅5000棟を買い上げることを提案した。

 クライストチャーチではマグニチュード(M)7.0の地震に見舞われた2010年9月4日以降、マグニチュード3.0以上の地震が7500回以上観測されている。ことし2月にはマグニチュード6.3の地震で181人が死亡した。

 この街を離れたいという住民も多いが、地震で損傷を受けた家の住宅ローンを抱えているために身動きが取れない人も多い。

 クライストチャーチは被害の程度に応じて4つのゾーンに分けられているが、キー首相は最も被害がひどかった「レッド」ゾーンに住宅を所有する人に、今後8週間かけて政府が住宅買い取りの提案をすると述べた。

 買い取り価格は2010年9月4日の地震前の価格を参考にする。政府に住宅を買い取ってもらうかどうかは所有者の自由で、9か月間の検討期間が与えられるという。

 キー首相は5000棟の買い取り価格の総額は6億3500万NZドル(約416億円)だと述べるとともに、買い取り対象を、被害の程度がレッドゾーンに次ぐ「オレンジ」ゾーンの住宅1万戸に拡大することも示唆した。(c)AFP/Neil Sands