【6月21日 AFP】2週間以上前に噴火した南米チリのプジェウエ(Puyehue)火山の火山灰が21日、再びオーストラリアに到達したため、シドニー(Sydney)など主要空港で欠航が相次ぎ、同国の空の便はまたも混乱に陥っている。

 豪州、ニュージーランドの空の便は1週間前にも火山灰で欠航が相次いだ。気象学者らによると、火山灰は地球をまわってきた間に薄まってはいるが、衛星画像では依然としてはっきりと確認でき、旅客機が飛行する高度を移動しているという。

 航空管制機関エアサービス・オーストラリア(Airservices Australia)は「前週、広範囲でフライトを混乱させた火山灰よりも今回のほうがさらに濃く、範囲も広い。高度6000~1万3000メートル付近を漂っている。豪州南東部で停滞しそうだ。また数日中に北東部、東部にも拡散が予想される」と述べている。

 シドニー、メルボルン(Melbourne)、アデレード(Adelaide)、キャンベラ(Canberra)などでは同日午後、豪カンタス航空(Qantas Airways)やバージン・オーストラリア航空(Virgin Australia)などが航空便の運航を取りやめた。カンタス航空では少なくとも国内線73便、ニュージーランド行き6便が欠航を余儀なくされた。欧州やアジアへの国際便も影響を受けるとみられるほか、カンタス航空が22日のシドニー、メルボルン、キャンベラに発着する全便の欠航を決めるなど、22日も混乱は続きそうだ。

 ダーウィン火山灰対策センター(Darwin Volcanic Ash Advisory Centre)のアンドリュー・タッパー(Andrew Tupper)所長は、今回のような現象は珍しく、火山灰がオーストラリア大陸にもう一度戻ってくることはないだろうと述べている。(c)AFP/Martin Parry

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