【6月21日 AFP】フィリピン南部ミンダナオ(Mindanao)島で、1週間にわたって続いている豪雨によってリオグランデ(Rio Grande)川が氾濫し、地元当局によると20日現在で50万人あまりが影響を受けている。氾濫の原因は、リオグランデ川に群生するスイレンだという。

 リオグランデ川は全長約320キロ、ミンダナオ島最長、フィリピン全土でも2番目に長い河川だが、流域に群生するスイレンがモロ湾(Moro Gulf)に通じる流れをせき止めているため氾濫し、洪水が発生している。

 ミンダナオ島南部コタバト(Cotabato)市の社会福祉担当長によると、23の自治体が洪水に見舞われ、55万9067人が影響を受けている。

 同市の流域では兵士500人あまりが出動し、断続的な豪雨と激流の中、スイレンの茎をチェーンソーで切るなど、大量のスイレンの除去に悪戦苦闘している。同地域を管轄する軍の報道官によると、前週にはスイレンが最大25ヘクタールにわたって川を覆い、厚さが3メートルにも達した場所もあり、その上を兵士たちが歩けるほどだったという。

 予報では今後さらなる豪雨が予測され、スイレンの除去作業は時間との戦いとなっている。(c)AFP