【4月11日 AFP】枝野幸男(Yukio Edano)官房長官は11日、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所から半径20キロ圏内の避難指示区域の外側にも、避難区域を設定することを発表した。

 枝野官房長官は、福島第1原発から半径20キロ圏外でも、気象条件や地理的条件により、同原発から放出された放射性物質の積算線量が高い地域が出ていると述べ、長期的には健康上の懸念があるため、年間20ミリシーベルトに達するおそれのある地域を「計画的避難区域」と設定すると発表した。対象地域は、飯舘村、葛尾村、浪江町、川俣町の一部と南相馬市の一部。

■グリーンピース「一定の評価、だがまだ不十分」

 国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)はこの決定を歓迎したが、まだ不十分だとの考えを示した。

 グリーンピースジャパンの事務局長、佐藤潤一(Junichi Sato)氏は、「グリーンピースは、飯舘村や川俣町、浪江町など放射線量の高い地域から住民を即時避難させるよう求めてきた。われわれは、日本政府は正しい方向に向かっていると考えている」と述べた。

 その一方で、「グリーンピースの調査では福島市や郡山市といった人口密度の高い地域の放射線量も比較的高い」と指摘し、「政府は、これらの地域の住民に放射線からの自衛手段を伝えるべきだ。これらの地域は避難区域の圏外にあるため、多くの住民が十分に放射線対策をしていない」と述べた。(c)AFP