【4月10日 AFP】7日夜に起きた東日本大震災の余震で、東北電力(Tohoku-Electric Power Co.)東通(Higashidori)原発(青森県)1号機の外部電源が1回線を残し、一時途絶した事態を受け、経済産業省原子力安全・保安院(Nuclear and Industrial Safety AgencyNISA)は9日、全ての原発事業者に対し、原子炉が稼動中かどうかにかかわらず2台以上の非常用ディーゼル発電機を確保するよう求めた。

 現行規定では、運転停止中の原子炉には、非常用ディーゼル発電機は1台稼動できればよいとされてきた。運転中の原子炉については、2台以上必要であるという点には変更はない。

 原子力安全・保安院の西山英彦(Hidehiko Nishiyama)審議官は9日、7日の余震後、一時的であれ東通原発で非常用発電機が動かなくなったことを保安院は重く受け止めており、「すべてを見直す必要がある」と述べた。

 東北電力が操業する東通原発1号機は7日夜のマグニチュード(M)7.1の余震が起きた後、外部電源が使えなくなり、3台ある非常用発電機のうち1台のみに頼る事態に陥った。他の2台は点検中で使用できなかった。さらに数時間後、稼動した1台の非常用発電機も軽油漏れが発見され、停止に追い込まれた。

 それまでに外部電源1回線が復旧していたため、全電源を喪失する事態は免れたが、この間、同発電所の主要な冷却機能は約1時間、1台の非常用発電機だけに頼っており、この最後の電源も失われれば、東京電力福島第1原発事故と同様の事故を招きかねない事態だった。(c)AFP