【3月24日 AFP】枝野幸男(Yukio Edano)官房長官は23日の記者会見で、福島第1原子力発電所から半径30キロ圏外の一部地域でも、100ミリシーベルト以上の被ばく線量となりうるケースがあるとの試算結果を明らかにした。共同通信が24日未明に報じた。

 政府は、原発から半径20キロ圏内の住民に避難指示を、20~30キロ圏内の住民に屋内退避の指示を出している。100ミリシーベルトは、1年間に受ける放射線量の限度とされる数値で、これを超えると甲状腺がんリスクが高くなるとされる。

 枝野官房長官は、「念のため、所在場所が原発の風下に当たる場合には、できるだけ窓を閉め、密閉した屋内にとどまることを勧めたい」と注意を促した。

 周辺住民は、福島第1原発のメルトダウン(炉心溶融)というもう1つの大災害の可能性にも脅かされている。第1原発では、1~6号機のすべてで外部から電気を受ける準備が整っており、冷却システムの再稼働への期待が高まっている。だが東京電力によると23日、3号機から黒煙が上がったため、作業員を避難させたという。(c)AFP/Karyn Poupee

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