【3月18日 AFP】福島第1原子力発電所では18日も、メルトダウン(炉心溶融)を回避するための懸命の作業が続けられている。

 福島第1原発では、陸上自衛隊のヘリコプターが上空から海水を大量投下したのに続き、放水車や消防車が地上から放水した。原子炉内や使用済み核燃料貯蔵プール内で露出した燃料棒を再び水中に沈め、メルトダウンに伴う放射性物質の排出を防ぐのが狙い。

 プールに保管されている使用済み燃料棒は、まだ高濃度の放射性物質を含んでいる。処理に適した温度に下がるまで、何年も冷却水に浸されている。

 4号炉の使用済み核燃料貯蔵プールでは、燃料棒が発する熱でプールの水が蒸発した。また、震災による冷却ポンプの故障で、他の2つのプールでも温度が徐々に上がりつつある。プールの水がなくなり燃料棒が露出すると、燃料棒が溶融または発火し、生命に危険を及ぼすレベルの放射性物質が放出される可能性がある。

 一方、東京電力などは、福島第1原発への電力供給を復旧させ、冷却システムを再稼働させる作業に全力を注いでいる。

 経済産業省原子力安全・保安院は18日早朝、東電が原発敷地内に送電線を引き入れることに成功したと発表した。ただ、原子炉の電源に接続するには、10~15時間かかる見通しだという。

 東電の広報によると、電源が復旧されれば各種の電気ポンプが再稼働し、原子炉と使用済み燃料貯蔵プールに注水できるようになるという。(c)AFP/Shingo Ito