【3月15日 AFP】東北地方太平洋沖地震を取材して香港(Hong Kong)に戻った取材クルー20数人が、放射線の被ばく線量の検査を受けた。香港当局が15日、発表した。

 15日の香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)によると、クルーは震災で事故を起こした原発のある福島県で取材しており、14日夕に香港に戻ったところ、防護服に身を包んだ保健当局者に出迎えられた。その後、除染のために整備されたバスに誘導されたという。

 政府当局者はAFPの取材に対し、被ばくが認められた人はいなかったと述べたが、サウスチャイナ・モーニング・ポストの詳しい報道内容の確認は避けた。

 複数の報道によると、同じ飛行機に乗った一部の客から同じ機内に搭乗することへの不安の声があがっていた。ポスト紙によると、ある客室乗務員は「もし事前に(乗ると)わかっていたならば、フライトの前に検査していただいた方がよかった」と話したという。

 東京から約250キロの距離にある東京電力福島第1原発周辺の放射線量が高まっているとしてすでに半径20キロ圏内の住民への避難指示のほか、30キロ圏内に住む人びとに屋内退避を指示している。

 香港保健当局は15日、日本の東北地方から最近帰国した住民に検査を命じる声明を発表。また、地元ラジオ局RTHKによると、13日から日本から輸入された食品は汚染されていないか検査されているという。(c)AFP

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