【3月13日 AFP】ロシア政府は12日、巨大地震で電力不足に直面している日本から液化天然ガス(LNG)の供給拡大の要請があったことを明らかにした。

 11日の巨大地震の発生を受けてロシア政府は12日、関係閣僚の会議を開いた。ロシア政府の発表によるとウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は、「われわれの隣人たちは大きな悲しみと悲劇の中にいる」と語った。

 日露関係はこのところ北方領土をめぐり悪化していた。プーチン首相は日露間には「過去から受け継いだ問題」があるが、日本は「ロシアにとって長年の信頼できるパートナー」であり、ロシア政府は日本を助けるためにあらゆることを行うべきだと述べた。

 会議に出席したイーゴリ・セチン(Igor Sechin)副首相(エネルギー担当)は、日本がロシア政府系ガス会社ガスプロム(Gazprom)にLNG供給量を増やすよう要請してきたと述べ、現在別の契約のもとで動いている10万トンのタンカー2隻を日本に回せないかガスプロムが検討していることを明らかにした。ロシアは日本企業からの要望があれば協議した上で、年内に最大50万トンのLNGを日本に送ることができるという。

 セチン副首相は、ロシアは日本に供給する石炭を短期間のうちに300万~400万トン増やす用意もあり、シベリア石炭エネルギー会社(Siberian Coal Energy Company)の担当者が来週、訪日することも明らかにした。

 日本政府は13日、電力不足による不測の大規模停電を防ぐため、地域ごとの計画停電、いわゆる「輪番停電」を実施する可能性があると発表した。日本におよそ50ある発電用原子炉のうち11基が今回の大地震を被災した地域にある。(c)AFP