【2月24日 AFP】ニュージーランド南島のクライストチャーチ(Christchurch)で起きたマグニチュード(M)6.3の地震から2日が経過した24日、ジョン・キー(John Key)首相は、倒壊した建物のがれきの下に閉じこめられているとみられる数百人について、救出できるのは「奇跡しかない」と述べ、生存の可能性は厳しいとの見方を示した。

 クライストチャーチ中心部と郊外の一部地域が大きな被害を受けた地震発生から2日経ち、現地警察の責任者は民放テレビ局TV3に「生存者の発見を期待しているが、時間の経過とともにその可能性は薄れている」と述べ、過去24時間、がれきに閉じこめられたと思われる被災者の誰とも連絡が取れていないことを明らかにした。

 過去80年間で同国最悪の自然災害に見舞われ、同地震ではこれまでに少なくとも76人の死者が確認されている。

 行方不明者は現在300人前後とみられているが、キー首相はTV3で「この推計は大きく違う可能性」もあり、「世界のどこでもこのような災害に遭った場合、数日後あるいは何週間も後に生存者を救出したという奇跡のストーリーがある。われわれは希望を捨てることはできないが、同時に(さらなる生存者の発見に)現実的にもならねばなるまい」と述べた。

 ほぼ全壊した地元テレビ局カンタベリーTV(Canterbury TV)の6階建てのビルで、4階に入居していた英語学校キングス・エデュケーション(King's Education)は、生徒やスタッフ48人の所在が確認できていないと発表している。この中には、同校の研修に日本から参加していた富山外国語専門学校(富山市)の10人も含まれている。 

 このビルのがれきには最大100人が閉じこめられているとみられている。CTVビル周辺にある市内で1番高い26階建てのグランド・チャンセラー・ホテル(Grand Chancellor Hotel)が倒壊する恐れがある中、日本の国際緊急援助隊が現場を徹底的に捜索している。
 
 また立ち入り禁止区域とされているクライストチャーチ中心部の数か所でも、豪、英、米、台湾、シンガポールから派遣された援助隊が、地元救助隊約500人を支援し、徹底捜索を行っている。24日には郊外にも緊急援助隊が派遣された。

 がれきの下から救出された人の数は、最初の晩は30人に上ったが、23日にはわずかだった。同日救出された中には、全壊したパイン・グールド・ギネス(Pyne Gould Guinness)ビルで勤務中にデスクの下に入り、そのまま26時間閉じこめられた女性もいた。(c)AFP/Chris Foley

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