【12月9日 AFP】チリの首都サンティアゴ(Santiago)にあるサンミゲル(San Miguel)刑務所で8日早朝、火災が発生し、少なくとも81人の受刑者が死亡、21人が負傷した。うち14人は重体だという。

 火災は午前5時半ごろ、刑務所の4階で発生した。AFPの電話インタビューに応じたある受刑者などの証言によると、受刑者同士で乱闘があり、この際に受刑者らがマットレスに火をつけ、「3分もたたないうちに」刑務所中に火が燃え広がったという。

 サンミゲル刑務所では定員900人に対し、1900人が収容されていた。当日は休日で、面会に訪れた受刑者の家族らが刑務所の外に列を作っていた。

 現場を視察したセバスティアン・ピニェラ(Sebastian Pinera)大統領は、「非常に痛ましい悲劇だ」「刑務所の非人道的なシステムをこのまま続けていくわけにはいかない」などと述べた。

 同国の刑務所の過密状態は、今年2月に起きたチリ大地震と津波で1700人を収容していた監房8棟が倒壊した影響で、さらに悪化している。一部の刑務所では収容率が200%を超えている。(c)AFP/Miguel Sanchez