【10月5日 AFP】ハンガリー西部で、アルミニウム工場の廃液をためる貯水池が決壊して有毒な廃液が流れ出し、廃液に触れてやけどを負うなどして3人が死亡、120人が負傷する事態となっている。当局は5日、周辺の3つの郡に非常事態を宣言した。ハンガリー内務省が発表した。

 ハンガリー内務省によると、非常事態宣言が発令されたのは同国西部のベスプレーム(Veszprem)とジェール・モション・ショプロン(Gyor-Moson-Sopron)、ヴァス(Vas)の3郡。工場の貯水池から赤褐色の泥水が大量に流れ出してコロンタール(Kolontar)など2つの村に流れ込み、さらに5つの村に迫った。

 コロンタールの村長によると、死亡した3人のうち1人は3歳の子どもで、負傷者120人のうち8人が重体となっている。5日コロンタールを訪問したハンガリーの環境副大臣は、ハンガリー史上最悪の化学物質事故だと述べた。

 赤い泥水はアルミニウム製造過程で出る廃液で、鉛などの有毒物質のほか腐食性の高い物質も含まれている。1トンのアルミニウム製造につき廃液3トンが発生する。(c)AFP