【8月28日 AFP】チリ北部のサンホセ(San Jose)鉱山で起きた落盤事故で、地下に閉じ込められている作業員33人のうち、5人がうつ状態を呈し始めていることを、ハイメ・マニャリク(Jaime Manalich)チリ保健相が明らかにした。

 26日には、約3週間が経つ地下700メートルの生活に耐えてきた作業員たちが元気に映るビデオが、地上の家族たちのもとに届いたが、その一方でビデオに映りたがらなかった作業員たちがいたことが分かった。

 マニャリク保健相は「作業員のうち5人は仲間たちから離れ、食事もよくとっておらず、カメラに映りたがっていない。うつ状態にある」と述べた。食糧などを下ろしている管で届けた通話装置を使って、精神科医がケアにあたろうとしている。

 救出までには数か月かかることが見込まれ、苦しい地下生活が今後さらに長期化することから、チリ当局はすでに隔離空間における生活に詳しい各方面に協力を要請しており、週末から週明けにかけては米航空宇宙局(NASA)の専門家も現地入りする予定だ。またチリ海軍の潜水艦の司令官らもすでにアドバイスを行っている。

 また1972年にアンデス山中で起きた飛行機事故で、乗客の遺体を食べながら約4か月を生き延びた16人のうち少なくとも5人もウルグアイからチリの落盤現場へ向かう見込みだ。

 72年の事故の生存者の1人、ルイス・インシアルテ(Luis Inciarte)さん(62)は、「地上へ戻り、互いに抱き合えるときが来たら、2か月や3か月なんていう時間が人生でいかに短いものか分かるだろう」と語った。(c)AFP/Moises Avila Roldan

【動画】チリ落盤事故、地下700メートルからのビデオレター