【8月12日 AFP】ロシアは11日、1986年のチェルノブイリ(Chernobyl)原発事故で汚染された同国ブリャンスク(Bryansk)州において、計28の森林火災が発生していたことを確認した。地中に埋まっている放射性物質が大気中に拡散するのではとの懸念が高まっている。

 ロシア政府機関の森林保護センターが今月6日以降のデータを集計して明らかになったもので、焼失面積は同州だけで269ヘクタールに及んでいるという。なお、一部の政府高官は、同州での森林火災の発生を否定してきた。

 同センター当局者はAFPに対し、「パニックになる必要はない。現在燃えているのは地表面だけ。放射性物質は地層深くに埋まっているため、最後の最後まで燃えない」と語った。

 ロシア政府の保健当局者も、ラジオで、「ブリャンスク州の北西部でバックグラウンド汚染(低濃度の常時観測される残留汚染)が確認されたのみ」と、平静を呼び掛けた。

■核施設の付近で新たな森林火災

 なお、モスクワ(Moscow)から東に500キロのサロフ(Sarov)の主要核研究施設近辺で同日、落雷により、新たな森林火災が発生した。政府が現地に派遣していた消防士、兵士数百人の引き揚げを開始した直後のことだった。(c)AFP/Anna Smolchenko