【8月3日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は2日、森林火災の被害拡大を受けて、モスクワ(Moscow)州やボロネジ(Voronezh)州など7地域に非常事態を宣言した。森林火災による死者は、40人に達している。

 非常事態が宣言されたことにより、地元当局は、人が立ち入ることで火災が発生する可能性がある地域への立ち入り制限ができるようになるほか、消火・防火活動に軍の協力を要請することができるという。

 前週から続く森林火災をめぐり、当局の対応の遅れに批判の声があがる中、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は緊急会合を開き、各地方の首長に対し、復興計画の詳細を示すように命じた。

 露保健省は2日、森林火災による死者数が40人に達したことを明らかにした。また、地域発展省が1日に明らかにしたところによると、焼失面積は約12万8000ヘクタールで、これまでに少なくとも1875戸の住宅が焼失し、2000人以上が住む場所を失ったという。

 非常事態省によると、15万5000人が消火活動に参加している。セルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)非常事態相は、「火災現場1200か所のうち、620か所が鎮火し、延焼中なのは580か所だけだ」と語り、事態は沈静化しつつあると強調した。

 天気予報によると、現在のところ、猛暑が収まる気配はなく、今後数日間もモスクワ(Moscow)や露中部では気温35~42度になるものと見られている。(c)AFP/Stuart Williams