【8月3日 AFP】パキスタン北西部を襲った80年ぶりの大洪水による被害は、2日までに死者が最大1500人、被災者は250万人に上っている。こうした状況に、疫病発生の懸念が高まっている。

 パキスタン当局は、飲料水の不足からコレラなどの疫病が拡大していると注意喚起しているほか、前年イスラム原理主義組織タリバン(Taliban)掃討作戦が実施されたスワト渓谷(Swat Valley)などの被災地で、ヘリコプターによる救助活動を行っていることを明らかにした。

 赤十字国際委員会(International Committee of the Red Cross)によると、パキスタン全域で最大250万人が被災しているという。支援団体やパキスタン軍による懸命の救援活動が行われているものの、死者数は増える見込みだという。

 カイバル・パクトゥンクワ(Khyber Pakhtunkhwa)州(旧北西辺境州)の情報相はペシャワル(Peshawar)で開いた会見で、「現在、われわれが確認している死者数は774人だが、死者数の合計は1200~1500人に上る」と語った。

 会見後、同情報相はAFPに対し、洪水によって同州内では50万人が避難していると述べたほか、洪水による被災者数は150万人を超えるとの見方を示した。また、同州保健相によると、約10万人が胃腸炎などの病気に悩まされており、そのほとんどが子どもだという。

■日本人観光客8人をヘリで救助

 一方、共同通信(Kyodo)は、現地日本大使館筋の話として、同州を訪れていた日本人観光客8人が、洪水によって数日間にわたって足止めされ、パキスタン軍のヘリコプターで救出されたと報じた。(c)AFP/Lehaz Ali