【7月7日 AFP】英エネルギー大手BPは6日、メキシコ湾(Gulf of Mexico)の原油流出事故をめぐって巨額の費用計上に迫られている件について、資金確保のための新株発行を行わずに対処できるとの姿勢を示した。

 BPの広報担当者はロンドン(London)で会見を開き、同社が資金を集めるために戦略的投資家に対し新株発行を計画していることはないと否定した。同社をめぐっては、英国政府が不測の事態に備え対応策を検討していると報道されている。

 BPは、原油流出事故で必要となった費用が、約31億2000万ドル(約2700億円)に上っていることを明らかにしているほか、これとは別に、被害者の賠償のための特別勘定(エスクロー勘定)に20億ドル(約1750億円)を拠出することも決まっている。

■テキサス州まで到達

 事故によって流出した原油は4日、流出源から800キロ以上離れたテキサス(Texas)州の海岸まで到達した。どれほどの量が流れ着いたのかは明らかになっていない。原油が漂着した州はこれで5州目となり、メキシコ湾に面した全ての州が流出原油の被害を受けたことになった。

 現在、メキシコ湾には1日あたり最大6万バレルの原油が流出していると見られており、1日あたり2万5000バレルの回収作業をはるかに上回っている。(c)AFP