【6月23日 AFP】米ルイジアナ(Louisiana)州ニューオーリンズ(New Orleans)の連邦地方裁判所は22日、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が課したメキシコ湾(Gulf of Mexico)での新規海底油田・ガス掘削凍結措置について、地元経済や石油企業に取り返しのつかない悪影響を与えるとして、この措置を解除する判決を下した。

 判決は、原告である32の石油企業の主張を認めるものだが、メキシコ湾での原油流出事故を受け凍結措置をと決めたオバマ政権にとっては大きな痛手となった。米政府はただちに、控訴する方針を表明した。

 米政府は、4月に起きた英エネルギー大手BPの石油掘削施設「ディープウォーター・ホライゾン(Deepwater Horizon)」の爆発・水没事故による原油流出事故の原因を専門家が突き止めるまで、海底油田・ガス油田の新規掘削を一時中止するよう求めていた。

 判決を下したマーティン・フェルドマン(Martin Feldman)判事は、鉱物資源管理部(Minerals Management ServiceMMS)による掘削凍結を解除することは公益だとの意見に納得したと述べるとともに、石油会社は「鉱物資源管理部の決定が独断的で気まぐれなものであることを示してくれるだろう」と語った。

 フェルドマン判事は、掘削凍結の判断は、原告や地元経済、メキシコ湾岸地域、米国内のエネルギー需要に対する計り知れない影響を「断じて正当化できるものではない」と指摘し、決定は「無効」だとした。(c)AFP