【6月13日 AFP】フィリピンの沿岸警備隊は13日、首都マニラ(Manila)の65キロ南にある火山島、タール(Taal)火山に噴火の兆候があるとして、付近の観光業者に対して観光客を火山に近づけないよう通達したと発表した。

 リゾート施設やボート業者がこの通達に違反した場合は、ボートの差し押さえやリゾート施設の閉鎖などの厳しい罰則が科されるという。

 沿岸警備隊によると、フィリピン政府の火山専門家が8日にすでに警告を発しているにもかかわらず、この火山島には依然として外国人観光客が訪れている。観光客は馬を借りて火口付近にまで行くことも多いという。観光客の大半は韓国人だが、日本人もいる。

 今回発表された通達では、火山島と岸との距離の半分程度まで近づくのは構わないが、上陸は禁じられている。

 タール火山は、フィリピン国内に22ある活火山のうち最も不安定な火山の1つで、これまでに33回の噴火が記録されている。最後に噴火したのは1977年。

 専門家は、警戒レベルを5段階のうち第2段階に引き上げた。フィリピン火山地震研究所(Philippine Institute of Volcanology and Seismology)によると周辺地域では4月から火山性の地震が発生しており、火口湖の温度も上昇している。(c)AFP