【5月10日 AFP】米南部ルイジアナ(Louisiana)州沖のメキシコ湾(Gulf of Mexico)で起きた石油掘削施設の爆発事故で、巨大なドーム状構造物を破損したパイプにかぶせて原油流出を食い止める作戦が立ち往生し、環境被害がさらに拡大する懸念が高まっている。

 ホワイトハウスも対応に乗り出しており、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は10日にも閣僚や上級スタッフらを招集し、英エネルギー大手BPの対策状況を検討する。

 爆発事故では、源泉と石油採掘施設を結んでいたライザー管が破損して海底に沈み、日量5000バレルのペースで現在も原油流出が続いている。

 BPは、重量98トンのコンクリートと鉄でできた構造物を水深5000フィート(1500メートル)に沈めて主な流出源を封じ込める対策をとったが、構造物に結晶が沈着して詰まり始めたため、いったん作業を中止し、善後策の模索を急いでいる。

 事故をめぐる賠償請求や除去費用などでBPにかかる負担は、日額1000万ドル(約9億3000万円)以上に上っている。(c)AFP/Guillaume Decamme