【5月3日 AFP】米南部ルイジアナ(Louisiana)州沖の石油掘削基地の爆発炎上事故による原油流出をめぐり、2日現地入りしたバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、全責任は基地のリース権を保有する英石油大手BPにあると主張、政府の対応の遅れを否定した。

 同州ベニス(Venice)港で記者会見したオバマ大統領は、「史上最悪の環境被害が生じる可能性がある」との懸念を表明。「はっきりさせておきたいのは、今回の流出の責任はBPにあるということだ。(原油除去にかかる)費用はBPが負担する」と強調した。

 その上で、オバマ政権は「事故発生日から総力をあげて対応しており、今後も全力で取り組む」と述べ、政権が対応を誤ったとするいかなる批判についても否定した。

 米政府のデータによると、流出した原油は幅約112キロ、長さ約208キロの範囲に広がっており、強い南風によって北に運ばれ、同州東部のシャンドルール諸島(Chandeleur Islands)にまで達しているもようだ。同諸島は人は住んでいないものの、野生生物が生息する重要な湿地帯となっている。当局は原油の到達について、強風と高波のため上空からの確認ができていないとしている。また、原油回収作業にあたる船も3日連続で出動できない状態となっている。

 米当局はまた、2日朝にメキシコ湾の原油流出水域を対象に、10日間の商業・観光船の航行禁止命令を出した。現在市場に出回っている魚介類への影響はないという。(c)AFP