【3月17日 AFP】ハイチ政府は16日、1月の大地震からの復興計画の第1次草案を発表した。それによると、復興計画の総額は115億ドル(約1兆400億円)と試算されている。

 ハイチ政府が国際社会の協力を得て発表した復興計画「Preliminary Damage and Needs AssessmentPDNA)」は、震災後の簡略的な再建計画にとどまらず、公共施設や建物の完全な修復をゼロから取り組んでいくもので、今月31日に米ニューヨーク(New York)で開催されるハイチ支援国会合での議論の枠組みとなる見込み。

■総被害額は79億ドル

 ハイチ国内外の250人の専門家の力を借りて分析した結果、1月の地震の総被害額は、79億ドル(約7140億円)に上ることが明らかになった。これはハイチの国内総生産(GDP)の120%以上にあたる。

 損害の70%以上が民間部門におけるもので、学校や病院、道路、橋、建物、港、空港への被害は44億ドル(約4000億円)に上る。PDNAでは、「復興に必要な総額は115億ドル。内訳は、社会部門が50%、住宅建設も含めたインフラ整備に17%、環境・災害リスク管理に15%」とされている。

 一方でPDNAには、野心的であるが実現には厳しい可能性が高い、国家経済の再建や司法制度改革まで含まれている。さらに、ルネ・プレバル(Rene Preval)ハイチ大統領も以前から言及しているように、首都ポルトープランス(Port-au-Prince)の人口密集や貧困問題を解消する目的で、首都以外の都市の再建も強調されている。

■耐震基準の徹底も

 PDNAでは、建物の耐震基準の適用徹底の必要性も指摘されている。耐震性の低い建物が崩壊したことが、死者が増えた最大の要因だと見られている。そのほかにも、警報・避難システムの強化、98%以上もの森林地帯が失われたハイチの環境対策の向上などが優先事項として取り上げられている。(c)AFP/Andrew Gully