【3月1日 AFP】南米チリのミチェル・バチェレ・ヘリア(Michelle Bachelet Jeria)大統領は2月28日、前日発生した大地震の死者が708人に達したと発表した。被災地では懸命の救助作業が続いているが、地震に伴い発生した津波が沿岸部を襲い、被害が拡大している。

 バチェレ大統領は、政府が津波警報を出さなかった誤りを認め、死者数はさらに増加する可能性があると話した。

 地震で発生した大きな津波は沿岸部の町を襲い、民家は流され、海藻まみれの残骸(ざんがい)を呆然と見つめる住民たちの姿が見られた。

 大きな被害を受けた同国第二の都市コンセプシオン(Concepcion)では、倒壊した15階建てのアパートのがれきに埋もれているとみられる人たちの捜索が行われ、同市の市長は緊急支援を求めている。

 また同地では、略奪行為も起こり、警官は催涙ガスや放水銃で対応している。

 バチェレ大統領によれば、政府が食料や救援物資の輸送を始めているという。一方、現地では余震が続いており、地震発生から30時間でその数は115回に上り、マグニチュード(M)6.1の余震もあった。

 史上7番目の大きさとなったこの地震による被災者は、チリ国民の8分の1にあたる200万人とみられている。(c)AFP/Moises Avila Roldan